「SIer」と「Web系」がよく比較されるのは、皆さんもご存知かと思います。
特にSIerはネガティブな印象を持たれがちで、「SIerからWeb系に転職したい」という話をよく耳にしますね。(逆はほとんど聞きませんが。)
実は、私もフリーランス2年目にSIerからWeb系に案件を変えようとした経験があります。
結論としては、うまくいきませんでした。
今回は、私のその失敗談をお伝えしようと思います。
筆者が「未経験SESの会社に就職」→「フリーランスのインフラエンジニア」としてのキャリアを振り返りながら、年収アップの秘訣を紹介しています。
自身の経験をもとに、効果的な転職サイトの利用や案件選びの重要性について詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
なぜ、Web系にチャレンジしようと思ったのか?
そもそも、なぜWeb系に変えようと思ったのか?
当時の自分の考えを振り返ると、正直かなり浅はかでした。
以下がそのときの主な理由です。
- 私服で働ける環境に憧れた。
- リモート勤務ができるかも、という淡い期待。
- 最新のモダンな技術を使ってみたい。
- おしゃれで清潔なオフィスで仕事をしたかった。
今考えれば、「モダンな技術を使いたい」以外は表面的な理由ばかりです。
しかし、その当時は「これで自分のキャリアが良くなる」と信じていました。
振り返ると、そんな理由で挑戦しようとした自分が少し恥ずかしいです。
ただ、同じようなことを考えている人もいるかもしれないので、そんな方に対する注意喚起でもあります。
あの時は、うまくいくはずもなかったのかもしれません。
失敗するべくして失敗した、今ではそう思います。
Web系企業との面談で感じたギャップ。
いくつかのWeb系企業との面談を受けた際、特別な対策はせず、「まずは行動」という気持ちで挑みました。
SIer案件での経験もあったため、面談自体が大失敗することはありませんでしたが、それでもいくつかのギャップを強く感じる場面がありました。
その中で最も大きく感じたのは、自分が扱っていた技術と、企業が求める技術の違いです。
SIer案件では、比較的成熟した技術が多く使われていました。
一方、Web系企業が求める技術は、最新とまではいかなくても、よりモダンで新しい技術が中心でした。
特に自分は金融系のプロジェクトに携わることが多かったため、その差をより強く感じたのかもしれません。
技術の移り変わりのスピード感にも違いがあり、SIer案件で使われている技術は、Web系の現場と比べて1〜2年遅れている印象を受けました。
この技術的なギャップが、結果的には面談での評価に大きく影響しました。
中には条件(給料など)を引き下げれば受け入れてくれる企業もありましたが、多くの面談では自分の技術レベルが企業の期待に届かず、不採用となることが多かったです。
この経験から、技術のアップデートを怠らず、Web系のトレンドに常に目を向ける重要性を改めて実感しました。
Web系への転向を断念した理由。
Web系への転向を断念した一番の理由は、やはり技術レベルのギャップが大きすぎたことです。
経験してきたSIer案件で使われていた技術は、安定しているものの、Web系で求められるモダンな技術とは大きく異なり、短期間で、その差を埋めることは容易ではありませんでした。
では、そもそも私がWeb系に転向したいと思った理由はどうだったのか?振り返ってみます。
私服で働きたい。
⇒Web系に憧れた理由のひとつは、私服で働ける自由な環境でした。しかし、結果的にスーツでの勤務を続けることになりました。今振り返ると、私服をそれほど多く持っていなかったため、むしろスーツのほうが楽だったかもしれません。
リモート勤務への期待。
⇒リモート勤務にも憧れていましたが、潔く諦めました。そもそも、面談の際に、リモート対応の案件が少ないこともあり、SIerとしてのキャリアを続けることに決めました。
モダンな技術を使いたい。
⇒最新の技術を扱うという点では、完全には実現できなかったものの、SIerでも少しは触れる機会がありました。例えば、PoC(概念実証)でAWSを使用したシステムの導入を検討するプロジェクトに参加することができたため、完全に諦めたわけではありませんでした。
キレイなオフィスで働きたい。
⇒オフィスの環境にもこだわっていましたが、幸運なことにSIerでも十分に綺麗なオフィスで働くことができました。Web系に限らず、SIerの環境も思っていたほど悪くなかったのです。
結果的に、私がWeb系に転向したかった理由はどれも浅はかなもので、実際にそれを諦めたことで大きなダメージを受けることはありませんでした。
また、2023年頃から、私服勤務やリモート勤務はSIerでもかなり一般的になっています。
コロナの影響で業界全体が変わり、望んでいた働き方が実現できるようになったのは大きな変化でした。
この経験を通じて、自分が本当に求める働き方やキャリアについて、より深く考えることができたと思います。
SIerからWeb系への転職成功のためのポイント。
SIerとWeb系企業では、さまざまな点で違いがあります。
扱う技術や開発手法、ドキュメント作成の方法、関係者との調整の多さ、リリースの頻度など、多岐にわたります。
個人的には、最近ではその違いが少しずつ縮まっているようにも感じますが、依然として大きな差が存在することは確かです。
では、SIerからWeb系への転職を目指す際に、どこに注意すべきでしょうか?
私自身の経験から言えることは、やはり「扱う技術」に焦点を当てることが最も重要だということです。
技術以外の部分、たとえば開発手法やドキュメントの作成方法といったことは、実際に業務に携わりながら慣れていくことができる場合が多いです。
しかし、技術のレベルにギャップがある場合、その差を埋めるのは容易ではありません。
特にWeb系企業では、モダンで先進的な技術が多く使われており、その技術に対応できるかどうかが転職成功の大きな鍵となります。
例えば、インフラエンジニアの場合、SIerではサーバやミドルウェアの設定を手動で行ったり、エクセルでパラメータシートを作成したりと、比較的伝統的な手法が使われることが一般的です。
インフラの管理に特化した案件も多く、専門分野に集中できる環境が整っています。
しかし、Web系企業では、インフラをコード化するIaC(Infrastructure as Code)が当たり前になり、さらにはバックエンドのチューニングや実装にまで手を広げることが求められることがあります。
つまり、Web系の方がより幅広い技術に対応する必要があり、SIerのスキルのみでは通用しない場合が多いのです。
したがって、転職を目指す際には、まず応募する企業が求めている技術要件をしっかり確認することが重要です。
システムエンジニアのための転職サイトやエージェント19社を徹底比較し、それぞれの特徴や強みを解説しています。
案件数や単価、リモートワークの対応など、エンジニアにとって重要なポイントを詳しくまとめており、転職活動で最適な選択をするための参考になる内容です。
効率的にキャリアアップを目指したい方は、ぜひこの記事をご覧ください。
もし自分のスキルがその要件に足りていない場合は、事前にしっかりと勉強し、ギャップを埋める努力が必要です。
特にWeb系では、クラウド技術やDevOps、CI/CDの知識が求められることが多いので、そのあたりを重点的に学んでおくと良いでしょう。
また、Web系はSIerに比べて技術のトレンドが移り変わるスピードが早いという特徴もあります。
最新技術のキャッチアップを怠らず、自ら積極的に学ぶ姿勢が成功のポイントです。
転職前に個人プロジェクトやOSS(オープンソースソフトウェア)への貢献を通じて、実践的な経験を積んでおくことも、面接時のアピール材料となるでしょう。
コメント